大きいパン

よるはこれから

20190925_tenkinoko

休みはあと二日。何をしようと思い立ち、天気の子を見に行く。最初はネタバレなし、あとで軽いネタバレを含む感想を行間を空けて書きます。

 

ずっと見に行きたいと思っていて、でも映画館で人が多いのは嫌だったから、ずっと見る気になれなかった。平日休みということもあって行った。

 

面白かった。自分は「映画」は頭からっぽにして見れる面白いエンタメを求めていて、天気の子もまさにそんな感じでした(と自分では思っている)。

 

自分は新海さんファンじゃないし、別に過去作全て履修済みでもない。何らかの文脈も知らん。でもなんというか、近年の新海さんだけを見てると、完全に大衆向けのエンタメを提供する人という自分の中での位置づけだったし、今回の天気の子もその見立ては間違ってなかった。

 

だから、結論としては、面白かったです。以上。

 

行を空けて少しネタバレありの感想を書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ここから軽いネタバレあり、あと勝手なことを結構言ってる―――

 

セカイ系

まず前提として、セカイ系という言葉の定義は曖昧であり、これが正解だというものは存在しておらず、各人によって認識が微妙に異なるものであることに留意しておかねばならない。

その上でセカイ系とされる作品群に共通する特徴から大雑把にまとめるならば、「主人公達の行動・心理・関係性が、本来ある筈の中間領域である『社会』をすっとばして、そのまま上位領域たる『世界』の在り様や命運を決定する」ような構造を持つ物語と言ったところ(あくまでも一面的な説明であることに注意されたし)。

セカイ系 とは【ピクシブ百科事典】より引用

 

まさに単純明快なセカイ系で、とても良かった。開始30分くらいは、not for me なんじゃないかと危惧したけど、きっちり自分も楽しめるエンタメで気持ちよく見れました。大衆を相手としたエンタメとしてはこれくらいのがいいんじゃないかな。

 

多分、新海さんってエロゲのOP作ってた人だからその辺の経験値もあると考えると絶対もっとこじらせてるオタクだし、凝った(こじらせた)物語を作ろうと思えば作れると思うんだけど、そのあたりを薄めに薄めて完全に大衆を意識したエンタメを意識して作っている感じがする。

 

自分は、2000年ごろのセカイ系ラノベを思い出して、良い気持ちになった。世界に対して、自分たちだけが浮いていて、解決策なんて何もないのにそれをわかったうえでその時間を過ごすというか振舞うあのシーンなんかは、完全にセカイ系ラノベの匂いがして、胸が熱くなった。完全にご都合じゃないエピローグも、めちゃくちゃそれっぽくていいと思う。いいと思うよぉ。

 

ここからは更に勝手なことを言うんですけど、セカイ系の物語って絶対00年代中盤から現在にかけて減ってったと思うんですよね。それがなぜなのかっていうのは完全に置いとくんですけど、自分は、その減る前のセカイ系ラノベ等で空想に思いを馳せた中学生だったわけだけど、近頃はそういうのが少なくて、少年や少女は現実の枠組みを全てぶっ飛ばすストーリーを夢想できなくなっていったのかな、とか思ったんです。でも、天気の子が、今の少年少女のそういう作品になり得るなら、それってとても素敵なことだし、だから、単純明快なセカイ系作品としてめっちゃいいじゃん、と思ったんです。

はっきり言って、大人のお兄さんとお姉さんからしたらツッコミどころはたくさんあると思うけど、天気の子はいいエンタメ作品だと思うよぉ。面白かったです。