大きいパン

よるはこれから

20210919_幸せとお金の経済学

 

 

人は自分より一つ上の階層を見て、欲しいものの水準が決まる。

近年格差が増大し、ごく一部の超富裕層が支出水準を増加させ、それが下の水準に波及し、中流層(おれたち)の支出水準が増加した。(これを支出の滝という、だから、中流層の所得増加以上に支出水準が増加し、中流層は身の丈に合わない支出を強いられている)

ここで、以下の定義で「地位財」「非地位財」としたとき、地位財を手に入れて幸福を得ようとしてもマウント合戦になるため永遠に満足できない。

・地位財→周囲との比較により満足を得るもの(所得、車など)

・非地位財→他人が持っているか否かに関係なくそれ自体に価値が見いだせるもの。(健康、安全、レジャーなど)

 

だから非地位財を築きましょうね、という話を、様々な論文(実験等)の出所を明らかにしたうえで言っている本。もっと詳しく知りたい人はレビューへ(内容がまとまっているいいレビューがある)

アメリカの偉い先生の本らしく、「じゃあ地位財を充実させるためにどうするか」ということは書いてない。(日本のもっと大衆向けの本ならそこにページを割きそうだけど、学者の先生の本だからね。これは悪く言っているわけでは一切無いです)

 

 

アメリカの本なので、教育費や住居に関する考察は日本とは少し違うところがあったように思う。あとはわかるなぁという感じ。

最近の「ものではなく体験にお金を出したほうがいい」みたいなのはこういうことなんだろうね、っていう。

最近の自分のお金の使い方を考えたとき、地位財の物欲発散合戦みたいなものからは"降りられている"気がした。自分が非地位財を充実できているかは知らない。

あとやっぱ自分には、日本のインフルエンサー的な人が根拠も何もなく自分の体験のみで「〇〇したほうが絶対いいよ!」っていう本よりも、エビデンスに基づいたアレコレ言ってくれる本のほうが効き目がある。