大きいパン

よるはこれから

20191030_複数の正義

【追記】あとで気づきましたが、このジャン談、20191102収録分ですね。失礼しました。

 

戦争や争いに正義や悪は無くて、複数の正義があるだけだ、という使い古された言葉がある。

この日に収録したジャン談で話したのだが、ある漫画で、主人公が「お前のやっていることは俺の道徳に反するからお前をボコす!!」という展開がある。これについて、かなり引っかかってしまった。

osico.me

喋っているのは40:30ごろから。

敵の悪の親玉(スラムの偉い人)は、自分たちの街を守るために、子供に爆弾を付けたりもする非道で、それに対して主人公が「人には最低限通さなきゃいけねぇ筋があんだよ!」と言って相手をボコす、というシーン。

実際これって似たようなことが現実の中東でもあるし、彼らにとってはそうやって死ぬことは救済につながるのだから、どちらが悪という話ではない。だから、難しい問題だとは思うけど、もう少しうまく展開を料理してほしかった。主人公の言っていることがびっくりするほど浅い。現実では5:5でどっちも正しいとしか言えることはないのだけど、これは漫画だから、6:4か7:3くらいで、主人公の肩を持ちたくなる言葉の応酬をしてほしかった。

結局主人公が強いからボコして終わりなんだけど、あとのスラムに残された人のことは知ったこっちゃないし、敵の親玉に「自分も主人公みたいに強ければ……」と言わせて終わらせるという、今回の主人公の振る舞いが「強いからこそ許される」振る舞いに他ならないという話の展開になっていて、かなり最悪だと思ってしまった。

たぶん主人公はそういう認識が無いし良いことをしたと思っていて、漫画家さんにとってもそれを善として描いているように自分は感じた(実際のところはわからないが)

 

自分の読み方だと、こういうの、めちゃくちゃ引っかかってしまう。

 

(今挙げた漫画の漫画家さんに対してという話ではないと一応前置きするが)あまり漫画家さんに要求することではないのかもと思うけど、「この漫画家さん、今までずっと漫画を描いてきた人なのかな(オブラート)」と思うことは、これまで何度かあった。

こういうのこそ編集さんがなんとかすべきという話はあると思うのだけど、それは横に置いておいて。こういう、価値観や人間を表現する仕事の人にとって、こういうこと(めんどくさくなったのでまとめた)ってかなり重要だなと思う。

 

この手のリベラル(?)な考え方って、自分のなんとなくの認識だと2010年代からインターネットやSNSでも言われるようになったと思っていて、この辺があやふやなまま他者を攻撃して泥沼化しているのが最近本当にtwitterでよく見るよね、というのは少し前にも似たようなことを話したかも。なんつーか、勉強や知識って重要ですね。

 

 

最近、子供の育て方、みたいなトピックについて、触れる機会があった。はっきり言って今の自分には子供を育てる予定も何もないが、自分はこんな感じなので、なるべくフラットなものの見方ができる人になってほしいなと思うし、そういう育て方をすること自体はできるかも、と思っている(実際にしてないから自惚れの面はあると思うが)。

ただ難しいと思うのが、必ずしもそういう人が、人生を生きていくにあたって生きやすいというわけではないということ。

 

たとえ気づかないうちに他者を攻撃していたとしても、自分に自信を持って自己肯定感高く日々を過ごせた方が、その人のためになるのかもしれないね。(わからない)